メインクーン(Maine Coon)はアメリカ原産の長毛猫です。
世界最大の猫種と言われ、大きい子では10Kgを超える猫もいます。
性格は温和であまり鳴きません。
声は“バード・ヴォイス”といわれ、いわゆる普通の猫とは違う声色で“クルクルッ”と言う感じでしゃべります。
また、水遊びが大好きという猫にしては不思議な習性を持ちます。
北アメリカで自然発生したとされる猫種としては最も古い部類に入るといわれており、メイン州の“州猫”に認定されています。
19世紀後半の頃にはキャット・ショーで人気の猫種でしたが、さまざまな長毛種の猫がアメリカに輸入されるにつれ、その人気は下降してしまいました。
が、20世紀後半からはまたその独特の風貌や穏やかさ、飼いやすい性格であることにに人気が集まり、今に至っています。
しかし、メインクーンが実際どのように発生したのか、アメリカに何時どのようにして紹介されたのかは不明で、さまざまな説があり、中にはおとぎ話のようなものもあります。
諸説ある中でストーリー性に富んでいるのは1793年に処刑されたフランス王妃マリー・アントワネットに絡むものではないでしょうか?
話は、王妃の処刑前にさかのぼるもので、キャプテン・サミュエル・クローの助けを借りて王妃をフランスから脱出させようとしたというものです。
<概略>
クロー船長の船に王妃の愛する彫像品、美術品や家具などを積み込んだ中に彼女の愛する6匹の猫達、ターキッシュ・アンゴラも同乗したとのことです。
そして、この猫達がメイン州に居た短毛の先住猫たちとの間に子孫を残し、その子孫が現在のメインクーンの礎となったとの説です。
キャプテン・サミュエル・クロー(※)とマリー・アントワネットと6匹の猫たち
(※:キャプテン・ステファン・クロー、キャプテン・ネイサン・クラウドとも呼ばれている)
当時メイン州のウィスカットの港は三角貿易の行われている港として有名で、ボストンの東側では最も重要で栄えた港でした。ヨーロッパからは手工業品が輸入され、ラム酒、糖蜜、砂糖や塩といったものは西インド諸島から輸入されていました。 メイン州およびその周辺からは木材、毛皮やタバコが出荷されていました。
キャプテン・クローは自分のスループという種類の船(2本以上のマストに縦帆を装備した西洋式帆船。18世紀初期にアメリカで建造。幕末の日本で建造された君沢形(きみさわがた)もこれに属する。 )でフランスに向かったのですが、ちょうどその頃フランス革命が勃発し、キャプテン・クローの船“サリー号”はフランスの港にて係留、出国停止となってしまいました。 クローの娘サリーがアメリカ大使館に赴き、船の出港を願いでますが嘆願を受け入れてもらうことはできませんでした。
サリーは、パリでトーマス・ペイン、シャルル=モーリス・ド・タレーランや “赤い館の騎士”と知り合いになりますが、最終的には投獄され、王妃アントワネットと同じ場所に幽閉されてしまいます。
その頃“赤い館の騎士”はキャプテン・クローに取引を申し出ます。
「数人の人間を船に同乗させ、アメリカに運ぶなら船を自由にしてやる」
家具や個人的な荷物がすぐにサリー号に運び込まれ、あとは王妃の救出を待つだけとなりました。王はすでに処刑されており、王太子は他の場所に幽閉されていました。
王妃を連れ出す以外は、脱出の計画は全て整ったのですが、いざ王妃が幽閉されている場所に到着すると、
「息子を置いてはフランスを去ることはしない」と。
そして、王妃は1793年に処刑されてしまったのです。
結果として彼女の6匹の猫達だけが、新大陸を目指したのでした。
クロー夫人が王妃アントワネットのためにウィスカットに用意した“王妃の別荘”は結局はその主を迎えることはありませんでした。
For Englishi Source, refer to:
The Marie Antoinette House in Maine(Home for the Last Queen of France)
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